2008.01.27
岸本 俊夫

実用化への歩み

これまでの足跡

平成 6年(1994年)に太田茂(川崎医療福祉大学教授)と岸本俊夫が地元の企業 2社と 研究グループを組み、在宅の独居高齢者を支援する「ケーアイ(KI)システム」の 研究を開始しました。

当時はまだ「パソコンといえば NEC PC-9801」という時代で、被験者宅に光電管を 使用した「行動センサ」とデータ記録装置としてパソコンを設置し、独居高齢者の 宅内行動を記録するだけのものでした。

平成 7年(1995年)太田茂が提案した 「在宅高齢者の健康状態遠隔監視システムの研究開発」が通産省 (現在の経済産業省)の外郭団体 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の 「平成 7度提案公募型・最先端分野研究開発事業」に採択されました。

当時岸本が所属するソレックス(株)が行動センサと宅内装置を設計製作し、 この研究開発プロジェクトに参画しました。プロジェクトは平成 7年から 8年にかけて 約 1年半実施しました。「行動センサ」は光電管から焦電型赤外線受光素子に方式が 変り、計測した行動データも電話回線を通してリモートで収集することができるように なりました。被験者も 4名に増え、膨大な独居高齢者の宅内行動データが集まりました。

このプロジェクトの成果をあえて一言で言うと、行動データを解析して 「いつもと異なる生活状態」を自動的に検出することができる というものです。

平成 11年(1999年)ソレックス(株)が太田茂と共同で提案した 「独居高齢者行動状態モニタリング技術の研究開発」が 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の 「人間行動適合型生活環境創出システム技術事業(人間行動プロジェクト)」に 採択されました。この事業は平成 11〜15年度の 5年間実施されました。

人間行動プロジェクト全体の成果は (社)人間生活工学研究センター でご覧になれます。

独居高齢者行動状態モニタリング技術の研究成果は、 福むすびネットのホームページで ご覧になれます。文書による報告書ばかりでなく、仮想的な独居高齢者の生活状態を 閲覧するデモを体験することができます。

(有)福祉システム研究所は平成 14年(2002年)12月、これまでの研究開発成果を 統合・実用化し、独居高齢者の見守りサービスの事業化に着手しました。

[Top] [Index]

今後の取組み

これまでの研究開発によって「いつもと異なる生活状態」を自動的に検出し、 電子メールで離れて暮らす家族や親族に速やかに通知することが できるようになりました。

平素の生活パターンにもよりますが、居間や台所で 3時間、トイレで 30分以内に 「いつもと異なる生活状態」を検出できます。(これらの数値は個人の 生活パターンによって大きく異なりますので、保証するものではありません。)

ただ、実験に使用した行動センサ、宅内装置等のシステムは、価格、保守、デザインや 使い勝手の面でまだ改良の余地が残されています。

残念ながらこれらの改良は、現在停止したままです。システムは細々と稼働中です。

(C) 2003 by KISHIMOTO Toshio (Fukumusubi), all rights reserved.
このドキュメントに関するお問い合わせは下記まで

/*history*/
1.02003.01.29TKOriginal
1.0.12008.01.27TK花ライオン用に変更。
/*eof*/